カソウ者の日々

昭和生まれ90年代育ちのナマモノ腐の令和時代ナマモノ腐活動日記

私は「あなたたち」が大好きだから大切にしていきたんです。関 正樹 著「子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう?」感想

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「この本を書いてくださって、出版してくださって本当にありがとうございます」

読み終わって一番最初に浮かんだ感想がこれだった。

 本の概要は、臨床側の児童精神科医の先生が自分の担当した子どもたちの例(もちろんプライバシーに配慮しています)に子どもたちとインターネットやゲームの関係をたくさんのデータ、資料(巻末の参考文献のページだけで17ページあります)を元にかいた本である。元々は子どもを支援する職業(教員、福祉支援職、医師など)や保護者を想定して書かれた専門書であるのだが、私はむしろこの本に出てくるコンテンツを企画、提供、運営、管理する側の方々に読んでほしい。むしろ読め。これは、これも「現場」なのだから。

 

 感想を書く私の立ち位置はかなり当事者の子どもと保護者の立ち位置で書かせてもらいたい。90年代初頭、家にも学校にも場所がなかった私を救ってくれた居場所はゲーセンの格ゲープレイヤーの皆さんでありそしてあの当時個人主催でやっていた地元の同人誌即売会で出会った人たちである。

 そして、今は難易度の高い子育てをし娘(小4)に至っては地域の基幹児童精神科医に受信したところゲームとネットを引いてされ猛烈にこじらせてしまい、働きながら子どもたちの対応をしている保護者である。ちなみに子どもの通う小学校に出来た別室登校教室で子どもたちの話し相手もしており、込み入ったオタクトークで盛り上がってるオタク母さんである。

 

 なぜ、コンテンツ側に読んでほしいと思っているか、それは現時点に「保護者」のインターネットコンテンツに対しての理解度がほぼ無いという点とWHOのおけるゲーム障害と日本の久里浜医療センター問題という2つを関係を理解してほしいという個人的な想いがあるからだ。ゲーム障害と久里浜医療センターの問題は井手 草平先生ブログが詳しいのでそちらを参考にしてほしい。

 

 書かれあることは私の実体験としてうなずけることばかりである。インターネットコンテンツが新たな居場所になっているというのを臨床データ、論文などを用いいて解説されいる。ソシャゲ、ネトゲだけではなく、配信やpixiv、小説家になろうなどのインターネットでの創作活動まで網羅されており、その事事で臨床実例をあげておられる。

 コンテンツがマネタイズれ消費者に届いた際の一つのリアルな「現場」だ。この本に書かれたある事例に近いことは私の周りにも起こっている。

 乱暴な言い方をすればこのインターネットの世界は「トー横」や「グリ下」と同じ意味合いをもつことになる。現実に傷ついた子どもたちが自己を肯定する場所と私は定義する。

 もし、子どもが逃げんこんだ場所を大人が理解出来なければ、それは畏怖のするものであり、「ゲーム障害」という言葉でくくられスティグマ的存在になれば無理に拒否する人が多くなるのも予想できるできることである。

 

 自分たちの作っているものがどのようにファン以外の人たちにどう理解されているのか、どう影響を与えているのかをコンテンツ事業者がしる一つの教科書として読んでほしい。そして、最悪の事態としてのコンテンツ規制に対しての目配せをしてほしい。子どもたちがインターネットをするためにには保護者の許可が絶対必要なのだから。目の前の消費者だけではなくその後ろに何があるの見極めてほしい。畏れは大きな力となる場合がある。理解してほしいではに。知ってほしいのだ。そして考え続けてほしい。私の大好きな新興系インターネットコンテンツがずっと楽しく続いていくことを願っている。コンテンツ提供側の方々この本を読んで保護者の医療福祉の現場を知ってほしい。それもまたコンテンツ側の責務だと私は思っている。